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Wordvice AI英文チェッカーとGrammarly との使い勝手を比較

ChatGPTやその他の大規模言語モデル(LLM)を搭載したAIツールが登場するにつれ、多くの学生、研究者、ビジネス専門家は、作品を提出する前にテキストを修正することがどれほど重要かを認識しています。現在では、オンライン校正の選択肢はほぼ無制限です。

最も一般的な校正手段の一つに、Wordvice AIGrammarlyのような、オンライン校正アプリや文法チェッカーの利用が挙げられます。これら無料オンラインアプリには最新の機能が備わっているうえ、非常にリーズナブルに利用できる場合が多いです。

この記事では、新しいWordvice AIライティングアシスタントと、よく知られた校正アプリであるGrammarlyとを比較していきます。上記2つのアプリの使い勝手を知って、文章執筆のプロセスを改善できる方法を習得していきましょう。

Wordvice AI vs. Grammarly: はじめに

Wordvice AIって何?

Wordvice AIは人工知能(AI)を用いた新たな研究論文校正アプリで、エッセイや研究論文の校正・編集サービスを専門とするワードバイス社により開発されました。ワードバイスの主な顧客層は、大学生、大学院生、博士号研究者、学術および大学関係者から成っており、彼らが書いた学位論文、大学出願エッセイ、科学論文等のクオリティ向上のアシストに焦点を当てています。そのため、以下で実証していくように、Wordvice AIが、こういったタイプの文書に使用されたときに際立った能力を発揮できるのは当然と言えます。

Wordvice AIはWebアプリとして利用可能ですが、個人情報管理方針により、個人データが抽出されることは一切ありません。

Grammarlyって何?

Grammarlyは世界で最もよく知られた校正アプリで、学生やあらゆるタイプの書き手の間で広く利用されています。単独のアプリとして、またブラウザー拡張機能としても使用できます。MicrosoftやOffice365、またGoogle ドキュメントといったあらゆる種類のプラットフォーム上でも利用可能です。

他の校正ツールについて語る際、チェックツール市場で最も機能豊富なチェッカーであるGrammarlyをベンチマークとするのが便利でしょう。しかし、以下で見ていくコスト、および賛否両論ある、データ収集に係る方針に関する大きなマイナス面も見逃せません。

価格比較

研究・学術活動に意欲的に取り組んでいる層の多くは現役の大学生や大学院生です。技術サポートセットの一環としてGrammarlyを組み込んでいる大学も多くありますが、節約志向の個人にとって費用面での比較は参考になるでしょう。

Grammarly - オンライン校正ツール

Grammarlyの価格体系は、サービスとしてのソフトウエア(SaaS:インターネット経由でソフトをサービスとして提供)モデルの典型的な構造になっています。3種類のプランが用意されており、無料版は、有料版で使える機能のごく一部だけへのアクセスに限られますが、十分使えるレベルです。

Grammarly プラン別価格

SaaS アプリの場合、価格体系には十分な注意を払う必要があります。SaaSで表示される月額は、長期プラン契約(1年契約または数年契約)した場合の金額である場合がほとんどだからです。

Grammarly プラン別価格詳細

大学生が大学院出願エッセイを書いたり、学位論文や学術論文を一回だけ執筆するような場合、1か月後には契約キャンセルするようなケースも多いでしょうから、年間契約価格はあまり効率的とは言えません。

Wordvice AI -無料で使える執筆アシストおよび校正ツール

Wordvice AIはどなたにも無料でご利用いただけます。

複雑なプラン設定はありません。ログインアカウントさえあれば利用できるうえ、校正アプリ内に文書を保存・ダウンロードも可能です。

Wordvice AI プラン別価格詳細

GrammarlyやWordvice AIはどのような人向けなのか?

無料の校正アプリが数多く出回ってるなか、どれか1つだけを選ぶのは至難の業でしょう。Grammarly使用人口が増えている現在、テクニカルや学術・研究分野の書き手にとってもGrammarlyはベストなアプリと言えるでしょうか?最新のWordvice AIのパラフレーズツールや要約ツール、英文編集ツールはどうでしょうか?

Grammarly -学生やブロガーにとって有用なツール

Grammarlyはごく一般的なライティングのツールとして使用される際にその力が一番発揮されます。カジュアルライターのカテゴリーとして以下の2つが挙げられます。

  • 授業のライティング課題やエッセイを書く高校生・大学生
  • 記事、セールスマーケティング用コピーライティング、情報伝達用の記事等を書くブロガー、マーケティング担当者、コピーライター

Grammarlyプレミアム(有料版)には、上記カテゴリーの書き手にとって魅力的なオプションがいくつかあります。

盗用剽窃チェッカー

その中でも、Grammarlyの有料プランを選ぶ一番の理由が「盗用剽窃チェッカー(plagiarism checker)」でしょう。実際、ビルトインツールとして、自分のライティングが盗作に当たらないかどうかをチェックするためにこの機能を単独で使える(standalone tool )ようにもなっています。

大学の授業課題のエッセイの書き方を習得中の学生や、時間に追われているブロガーたちは、倫理基準を満たすために、Grammarlyに付いている機能のような盗用剽窃チェッカーに頼っています。

執筆の目的別トーン設定

Grammarlyのもう一つの便利な機能は、文章のトーンが選択可能なことです。上記したように、就活用の履歴書を作成したり、ブログ記事やマーケティング用電子メール、またはクリエイティブエッセイを書いたりする一般的な書き手にとっては非常に便利な機能でしょう。

今回一番注目する比較項目の1つが、Grammarlyの「アカデミック」トーンを選択した場合の校正内容と、Wordvice AIの校正結果の違いです。

Grammarlyが目指すもの

Wordvice AI -大学出願および研究者にとってベストなツール

上記したように、Wordvice AIは数千に及ぶWordvice.jpが校正・編集を手掛けたエッセイ、学位論文、研究論文をベースに開発されました。

この方法は、機械学習として知られており、Grammarlyのような他のオンライン校正アプリもこれと全く同様な方法で「学習」させ改良されています。しかし、Wordvice AIは、大学院生や研究者といった自社のユーザー基盤をベースに開発を重ねたことから、大学出願者から科学系執筆者までの幅広いユーザー層向けに最適化されています。

Grammarly と Wordvice AI との比較 - 機能面のテスト

以下に、この2つの文法チェッカーの機能が一番よく発揮される場面、およびそれぞれの改善が必要な箇所を提示できる実例を挙げていきます。これら2つのツールを使うのに最も向いた場面と、書き手の種類・タイプを読者に判断してもらうことを目的としています。

第二言語で学術論文やエッセイを書くことに大きな不安を抱えてる学生も多いことから、科学、学術や研究論文のなかでも、英語が母国語でない、または英語を第二言語とする学生や研究者に多いミスに焦点を当てていきます。

以下に挙げる特定の場面におけるケースを掘り下げていきます。

  1. 電子メールでのやりとり
  2. 動詞時制の変化(過去形・現在形)
  3. 複数形vs単数形の動詞時制の一致

電子メールでのやり取り

最初の例として、学生と担当教授との間の一般的な電子メールのやり取りを取り上げます。大学生や研究者は、研究機関や教授、専門分野の仲間と常に電子メールのやり取りをする必要があります。そのためたとえカジュアルなメールであっても良い印象を与えることは大事であり、専門分野に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

多くのエラーを含んだ以下の一節をGrammarlyとWordvice AIの両方のツールに入力してみます。

Dear Professor, Thank you for writ to me. Thank you for writ to me. Thank you for writ to me. Thank you for writ to me. Im glad you able access account. Please let me now if you can help in anyway. Thanks lot, Support

Grammarly による校正

Grammarly メール文修正

Grammarlyはエラーである「writ」を検知しませんでした。これは「writ」が「フォーマル形式で書かれた文書」という意味の、実在する英単語だからです。しかし、上記例では「writ」を名詞としてここで使うことはできず、書き手としては「writing」という意味で使っていたはずです。

他にも、小さいながら重要な問題点があります。Grammarlyは「account」という単語に関するエラーを下図のように訂正しました。Grammalyの訂正は文脈からの状況理解力に欠けている結果から、冠詞の「the」を使う提案をしています。一方のWordvice AIは、同箇所に追加するのにより適切な所有名詞である「your」を提案しています。これは2名の人物間のメールのやり取りであり、このメールの話題(アカウントへのアクセス)から考えて、どちらか一方がアカウントを所有していると推測するのが妥当だからです。

Grammarly メール文修正

Wordvice AI メール文編集

Wordvice AIメール文修正

Wordvice AIは「writ」という単語エラーを正確に検知し、「writing」に正す提案をしています。 図示されているのように、Wordvice AIでは、エラーの種類によってはっきりと色分けされています。

  • 青:文章の明瞭さに関する問題点

Wordvice AI スペル修正

  • 黄色:動詞に関する問題点

Wordvice AI 動詞修正

  • 赤:動詞の形態に関する問題点

Wordvice AI 動詞の活用修正

上記Grammarly の校正提案と比較すると、Wordvice AIは「account」に関するエラーに対して、所有格の「your」を付け加えるというように、文脈のニュアンスを加味した訂正をしています。その結果、文が「I’m glad you are able to access your account,」になり、意味が通ったセンテンスになりました。

Wordvice AI 動詞の活用修正

  • 動詞時制の変化(過去形・現在形)

研究・学術論文で用いる動詞時制には一定の特別ルールがあります。

過去形

  • 結果
  • 観察
  • 研究メソッド(受動態)
  • 過去の出来事への言及(文献の中の場合でも)

現在形

  • 文献引用
  • 一般的な科学的声明
  • 将来的な応用
  • 論文の最後にくる科学的主張

これらルールは、経験豊富な科学系の執筆者や編集者であっても混同しやすいため、2つのツールで試してみる価値があるでしょう。

テスト用に、エラーを含んだ以下の一節を使いました。

We observed that the cellular structure was not change, although Kim et. al. established that the lipid membrane is resistant to hydrophilic conditions.

Grammarly - 動詞の時制修正

Grammarly 動詞の時制修正

正しくは「changed」に変更するだけです。しかし、Grammarlyは「was not change」というインプットに引きずられ過ぎて、提案例にもこの文法構造を保ちました。

ここで問題になるのは、Grammarlyが、英語が母国語でない人(ESL)によって書かれた科学論文に慣れていないことです。ESL研究者が書いた論文の校正経験が豊富な学術編集者だったら、彼らが過去進行形を誤用しがちなこと熟知しているはずです。

Grammarlyは過去進行形のインプットを意図されたインプットだとみなすため、提案の選択肢としてキープします。実際は、このセンテンスは観察結果を報告していることから、正しくは「changed」であることは明らかです。

Grammarlyは厳密にいえば正しくても、科学や学術論文という文脈上の観点からは不正確な提案をアウトプットしていることになります。Grammarlyの機械学習に用いられる文書量は多大であるものの、一定の分野には特化されていない背景がこういった結果を招いています。

すなわち、Grammarlyの提案は、幾万ものユーザーにとって最も一般的とアルゴリズムが判断した結果に応じているわけです。しかし、研究論文は、ブログや記事ほど一般的ではありません。こういった点も、Grammarlyでは物足りないと感じる所以です。

Wordvice AI - 動詞の時制修正

Wordvice AI 動詞の時制修正

Wordvice AIはこの至極単純なエラー箇所を正しく「was」に訂正します。

複数形vs単数形の動詞時制の一致

単数形と複数形動詞の時制の一致もライティングや文法上の問題点としてよく見られます。名詞や動詞を単数形にするか複数形にするかで書き手が迷うケースです。

テスト用に、エラーを含んだ以下の一節を使いました。

The data shows that rates of obesity have increased, whereas the numbers of cells was reduced by erythromycin.

Grammarly

Grammarly 主語と動詞の一致を確認

Grammarlyの訂正結果にはかなり目立つミスが2点あります。

まず、「data」は単数vs複数扱いのミスが起こりがちな単語の1つです。「data」は複数形であり、学術論文においては厳格に複数形として扱われています。しかし、カジュアルな書き物や会話では単数形、複数形の両方の使い方がされることが頻繁にあります。

重ねて言いますが、これは、Grammarlyの開発に一般大衆向けに偏った学習モデルの採用結果が誤った訂正につながるケースの一例です。平たく言ってしまうと、たとえそれが間違いであっても、Grammarlyは「data」は単数形にもなり得ると認識しているわけです。

次に、Grammarlyは「numbers」と「was」の両方を変更すべきと提案しています。「numbers」と「was」を独立した、関連性のない文法問題として処理しているからです。しかし、Grammarlyが提案するように「numbers」→「number」、また「was」→「were」への変更には無理があります。もしこの提案に従って訂正するとセンテンスが「the number of cells were」となってしまい、これも正しくありません。

正しい訂正は、「numbers」→「number」に変更するだけで、「was」はそのま残します。

Wordvice AIによる修正

Wordvice AIは「data」を正しく複数形と認識し、「was」はそのまま残して「numbers」だけを訂正するよう感知しています。

Wordvice 主語と動詞の一致を確認

Wordvice AI vs Grammarly:どちらの文法チェッカーに軍配が上がる?

結局のところ、すべての人にとってのベストなオンライン校正ツールなど存在しません。Grammarlyはユーザー数も多く、多岐にわたる文書インプットに基づいていることは確かですが、特に研究論文の校正に関しては、その有用性に欠けることは否めません。 一方、Wordvice AI英文チェッカーは、アカデミックな文章や入学書類の書き方でスタイルエラーをキャッチすることに優れているようです。 また、独自の校正データとともに強力な言語モデルが組み込まれているため、特に編集モードや文書タイプなどのフィルターを適用した場合、編集結果は Grammarlyよりも正確で洗練されたものになる傾向があります。

これが、編集や校正に関しては、総体的で包括的な取り組みが重要である所以です。ライティングのタイプ別に最も適したツールを見つけて使ってみてください。ツールによる校正後は、プロ校正者による編集を依頼して、論文・エッセイの質をさらにレベルアップさせましょう。

Wordvice AIのツールを最大限活用できる様々な使用方法を紹介しています。