文中での能動態と受動態の使い方
能動態と受動態の違いを理解したうえで、どちらも抵抗なく使えるようになることは、英作文習得の重要な要素です。受動態を使うと、センテンスの「説得力が弱まった」印象を与えかねないので、学校では、できるだけ受動態の使用を避けるよう指導されることが多いでしょう。とはいえ、受動態で書くのが適しているケースも存在します。能動態と受動態を使う場面やその正しい使い方を以下で解説していきます。
目次
- 能動態の使い方
- 受動態の使い方
- 能動態と受動態との違い
- 受動態から能動態への変換方法
- 能動態から受動態への変換方法
能動態の使い方
能動態で書かれたセンテンスでは、主語が動詞のアクションを行います。このようなセンテンスは、誰が何をするのかが極めて明白です。
- Example
- We submitted our assignments.
この例では、主語が「we」で、動詞が「submit(提出)」です。主語である「we」が「提出」しています。つまり、主語が動詞のアクションを引き起こしています。
- Example
-
The girl studies hard.
The dog chews his bone.
I work from home.
これら例からパターンが見えてきましたか?能動態のセンテンスは「主語-動詞-目的語」という構造になっています。必要以上に冗長になりがちな受動態のセンテンスと比べると、能動態のセンテンスは通常、より直接的かつ簡潔です。カジュアルな会話文のほとんどは、ほぼ例外なく能動態になっており、受動態のセンテンスはどちらかというとよりフォーマルに聞こえます。そのため、受動態を使うと、堅苦し過ぎたり、よそよそしい印象を与えがちです。
受動態の使い方
他方、受動態のセンテンスは、「目的語-動詞-主語」の構造になっています。
- Example
- Our assignments were submitted.
上の例では、誰が「our assignments」を提出したのかが不明です。
- Example
-
The food was purchased from the supermarket.
The samples were analyzed by the lab.
The donated books were organized.
受動態のセンテンスは文語英語で使われる場合が多く、能動態のセンテンスと比べるとよりフォーマル感があります。また、「行動主(actor)」よりも、アクション、またはアクションが作用するものに焦点が置かれます。「The donated books were organized」というセンテンスを例として見てみます。このセンテンスでは、誰が本を整頓したかは重要視されていません。焦点は、本が整頓されたという事実に置かれています。
能動態と受動態との違い
能動態と受動態との違いを下の表にまとめます。
能動態 | 受動態 | |
センテンス構造 | 主語 +動詞 +目的語 | 目的語 +動詞 +主語 |
焦点 | 主語 | 目的語または動詞 |
フォーマル度 | フォーマル度はやや低め | 比較的フォーマル |
受動態にすると、セテンスの焦点が主語から他へ移るため、受動態のセンテンスはより客観的な印象を与えます。科学研究の報告に受動態がよく用いられる理由はここにあります。
受動態から能動態への変換方法
自身の文章を見直している最中に、受動態で書いたセンテンスがなんとなくぎこちなく見えて、意味はそのままで、能動態に変換したい場合もあるでしょう。その方法として、まず初めに助動詞を取り除き、主動詞に置き換えるだけです。次に、(もしセンテンス中で使っていた場合)前置詞の「by」を取り除き、主語と目的語の位置を交換します。必要な場合は、単語の形態(例えば代名詞など)を変えることに注意してください。
- Example
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The composites were fabricated (by us).
We fabricated the composites.
受動態のセンテンスでは主語が省略されていることがしばしばあります。その理由は、受動態のセンテンスでは、「行動主(actor)」はさほど重要でない場合がよくあるからです。そのため、受動態のセンテンスを能動態に変えるときには、正しい主語を見出す必要があります。
能動態から受動態への変換方法
能動態のセンテンスを受動態に変える場合には、上記ステップの順番を逆にします。
- Example
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John purchased the apples.
The apples were purchased (by John).
まず最初に、主語と述語の位置を交換します。次に、主動詞の前に助動詞を付け加えます。最後に、主語の前に前置詞「by」を入れる、または主語は完全に省略するのいずれかを必ず確認しましょう。