Quillbot(クイルボット) vs Wordvice AI:どちらがベストなパラフレージング・ツールなのか?
デジタル時代の今日、人工知能(AI)をか活用したパラフレージング(言い換え)ツールは、ライターや学生、コンテンツクリエーター等、誰にとっても貴重な資源として広まってきました。なかでも、Quillbot(クイルボット)とWordvice AIのAI言い換えツールが特に有名です。この2つのツールは、AIを活用したライティングや編集の分野で確固とした地位を築いています。しかし詳細を比べた場合、どちらがパラフレージング・ツールとしてベストなのでしょうか?さっそく深堀していきましょう。
パラフレージングツールとは?何をするツールなのか?
どちらのパラフレージング・ツールがベストかを評価する前に、そもそもパラフレージングとは何か、パラフレージング・ツールを使うと多くの書き手にどんなメリットがあるのかについて手短に説明した方が良いでしょう。
「パラフレージング」とは、他人の言葉を直に引用するのではなく、その意味することを自身の言葉で言い換える作業です。パラフレージングは、文の著者自身が行うこともあれば、校正過程でエディターが行うこともあります。学術界では、他のソースから引用する場合、盗作リスクを防ぎ、自身のオリジナル論文であるためにもパラフレージングは大変重要です。
そのため、パラフレーザー(またはパラフレージング・ツール)には、文章の説得力や信頼性が増し、元になった文の盗作リスクを防げるような方法で言い換える役目があります。意図する事項を変えることなく、著作の質を向上させられるのが「ベスト」なパラフレーザーと言えます。
パラフレージング・ツール機能のクオリティ
良質なAIパラフレージング・ツールは、文の元の意味や文脈、文のトーンを変えることなく効率的に別の言葉に言い換えることが可能です。その際、正確さが最優先されます。間違いや曖昧さを含んだり、または元の文献からの逸脱は避けられるべきです。また、ツールには、ニュアンスや慣用句、専門用語の理解力が求められ、理論に一貫性を持った自然な流れの文章になるよう、状況に応じてアウトプットが調整できることが望まれます。
その他に必須となる機能は盗作の検出です。著作権問題にかかわってくるため、言い換え後の文章が、元の文献とは十分異なっているかどうかのチェックが肝心です。スピードと効率性も不可欠になります。クオリティは落とさず、パラフレーズされたコンテンツが迅速にユーザーに返されるべきです。それに加えて、良質なAIパラフレージング・ツールは、使い勝手が良く、スキルレベルを問わず誰にも簡単に操作できる仕様が求められます。そのため、ユーザーの希望する文体やフォーマットレベルに合わせたアウトプットが得られるよう、カスタマイズ可能な設定が理想的でしょう。こういった点を踏まえて、総合的に見た場合、どちらのパラフレージング・ツールがより優秀な機能を備えているかを確認していきます。
Quillbotパラフレージング・ツール
Quillbotが登場して数年になりますが、ツールの能力や使い勝手の良さから、ユーザー数をかなり伸ばしてきました。添削モードとしてはStandard、Fluency、Creative、その他のいくつかが備わっています。これらモードで、元の意味を保ったまま、センテンスの言い換えが可能です。このツールは概ね、文法的に正確なセンテンス作成する点では申し分ありません。ただし、場合によっては、複雑なトピックが簡略化されすぎて、ニュアンスが失われてしまうケースもあります。文脈上のニュアンス把握については、プレミアムモードの使用で改善されますが、全体的に見れば無料モードでも十分使えるレベルです。
Wordvice AIパラフレージング・ツール
Wordvice AIは、緻密さの点で、一見して一段上のレベルのアルゴリズムにより、当領域では卓越した能力を見せています。このツールは元の意味を保持できるだけでなく、他のツールでは見過ごされがちな、文章の機敏さやニュアンスを読み取ることが可能です。Wordvice AIは文の背景を深いレベルで理解しているように感じられます。それもあって、より込み入ったライティングプロジェクトにはWordviceが最もよく使われています。また、Quillbotの場合と同様に、有料版を使うと、より包括的でニュアンスを汲んだパラフレージングが可能となり、ユーザーはアウトプット文をもう少し自在に選べるようになります。
無料添削モードの比較
多くのAI修正ツールには「Freemium」価格モデルという、ベーシック料金または無料で使える一方、機能数や添削回数に制限の付いたプランが用意されています。プレミアムプランを選べば、すべての機能を無制限で使えたり、月当たりの添削回数にほぼ上限がなくなります。Wordvice AIとQuillbotはどちらも上記のような価格設定プランを提供していますが、その範囲やそのクオリティにはいくつかの違いがみられます。
Quillbotパラフレージング・モード
Quillbotの無料版は、一回のサーチで可能な単語数と、一日の使用回数に制限がかけられています。パラフレージングのオプション数はまあまあではあるものの、制限なしアクセスへのアップグレードを勧めるメッセージが頻繁に出てきます。
Quillbotは、アップグレード後はワード制限数の上昇、プロセスの迅速化、Formal、Academic、Simple、Expand、Shorten、Customすべてのモードへのアクセスが可能となります。プレミアム版パラフレージングの質は無料版より優れていますが、有料版でも必要以上の簡略化が時々見受けられ、特に専門用語や文脈フレージングに関してこの傾向が強いようです。
Wordvice AIパラフレージング・モード
Wordvice AIのプレミアムサービスを選ぶと、かなりのアップグレード感が実感できます。パラフレーズのクオリティの向上は際立っており、文脈の理解度の改善も顕著にみられます。アカデミックやプロのライターに向いたツールだと感じるのは、パラフレージング・ツールは、元々この層のユーザーをターゲットとしていたからでしょう。
Wordvice AIは無料版でもFluentとAcademicモードが使えることから、Quillbotの無料版と比べると多少寛大と言えます。一か月に利用できる単語数に上限があるものの、Quillbotの制限より緩めの設定に感じられます。
パラフレージングのクオリティですが、Quillbotと比べると、Wordvice AIは無料版でも洗練度が高いように見受けられます。また、Wordvice AIはBasicプランに登録するとPremiumプランを3日間無料で試せるトライアル期間が設けられており、支払情報の入力も強制されません。
Wordvice AI vs Quillbot:価格設定
Quillbotパラフレージング・ツール価格設定
Quillbotの価格帯にはお手頃感があります。月単位、3カ月単位、年単位の契約プランがあり、年間契約が99.95米ドル(月換算で8.33米ドル)で一番お得なプランになっています。当記事を書いている時点で、月払プランは19.95米ドル/月と、Wordvice AIと同額です。
Wordvice AIパラフレージング・ツール価格設定
Wordvice AIの価格設定はQuillbotと比較してわずかに高額になっています。年間プランは年額119.40ドル、月換算で9.95ドル相当です。ただし、パラフレージングの質の違いを考慮すれば少々高額なのも納得できるというのが多くのユーザーの感想です。また、ユーザーの必要性に応じて、契約プランにも、例えば複数人で使えるBusinessプランといったバリエーションが用意されています。ビジネスプランの詳細に関しては、ユーザーがWordvice社に直接連絡を取るようになっています。
Wordvice AI vs Quillbot:ツールのデザインと使い勝手
オンラインで使用するパラフレーザーのユーザーの大半にとって、アプリのデザインの良し悪しが判断基準の最上位にくることはあまりないでしょう。ただし、インターネット経由で利用できるサービス(SaaS)ツールを随時利用する側としては、デザインや使用感は、誰でも簡単に操作でき理解しやすいアプリを選ぶ上で重要な要素になります。上記二つのツールはデザインも使い勝手も素晴らしいですが、見た目と構造の観点では、一方が他方を少しだけ上回った出来栄えになっています。
Quillbotツールのデザイン
Quillbotのユーザーインターフェースはシンプルかつ直感的デザインになっています。かなりの機械嫌いユーザーでも難なく操作可能で効率的に使えます。スクリーン左側の鮮やかなボタン操作だけで、校正ツールと翻訳ツールを含めたすべての添削ツールに楽にアクセスできます。ツールのトップ画面で異なる言語や機能への切り替えもスムーズに行えます。Quillbotは全般的にシンプルではあるものの、直感的に使えるツールに仕上がっていて、大多数のユーザーがすぐに簡単に操作できそうです。
Wordvice AIツールのデザイン
Wordvice AIはツールのサイトデザインの洗練さ、特に色合いと図柄に関してはさらに踏み込む必要性があるかもしれません。しかし、ツールのデザインは見た目に留まらず、ユーザーにとって効率的な使い勝手にも配慮が必要です。機能のレイアウトが整然としていれば操作がよりスムーズに行えます。Quillbotと同様、Wordvice AIもページトップにあるツールをクリックするだけでAI添削ツールの切り替えが可能です。
全般的にみると、デザインの見た目とクオリティに関してはQuillbotがWordvice AIを僅かに上回っています。しかし、Wordvice AIの方がツールとしては新しく、そのサイトのデザインと機能は常にアップデートされているため、近い将来にはこの比較結果が変わってくる可能性は大いにあります。
Wordvice AI vs Quillbot:機能の奥深さ
「オールインワン」AIライティング・編集ツールは徐々に普及してきています。そのため、単一のウエブサイト上に多数の機能を盛り込んだ無料オンライン校正ツールを頻繁に見かけるようになりました。総合的なAIサービスは、特定の1つのツール機能に力を入れる一方、その他の機能は可もなく不可もなくなクオリティなため、多くの添削ツールは、成功するか失敗するかのどちらかになりがちです。
Wordvice AIとQuillbotはどちらもこの点においては別格と言えるでしょう。どちらも総合的にしっかりした機能を備えたオールインワン添削ツールでありながら、特にパラフレージング・ツール機能に安定性があります。
Quillbotの機能の奥深さ
Quillbotには、マルチモードといった機能だけでなく、Chrome、MS Word、macOSへも拡張できます。しかし、ツール機能の奥行に関しては多少制限が感じられ、この傾向は複雑なトピックを扱う場面で特に顕著です。
パラフレージング・ツールに加えて、Quillbotの添削ツールには校正ツール、文章要約ツール、文章作成アシスト、参考文献作成、盗作チェッカー、翻訳機能も備わっています。これらはすべて機能性に優れていて、多種多様な文書に使える利便性がありますが、なかでもパラフレーズが最も頻繁に使われている機能です。
Wordvice AIの機能の奥深さ
Wordvice AIも機能の奥深さを念頭に置いて設計されているようです。パラフレージング・ツールは単なるパラフレーズに終わりません。知見や推奨の提示もしてくれ、Premium版モードでは文のクオリティが確実に向上します。ユーザーはMS ワード文書のアップロード/ダウンロードが可能で、ChromeとMS Wordへ拡張できます。
英語文章言い換えツールに加えて、Wordvice AIには英文チェッカー、英語文章要約サイト、AI翻訳機、およびAI剽窃・コピペチェッカーも備わっていて、ツールの数としてはQuillbotに多少の差を付けられていますが、その代わりに、多様な大規模言語モデルのクオリティの高さがWordvice AIオンラインライティングアシスタントの強みとなっています。
結局どちらのAI校正ツールがベストなのか?
QuillbotとWordvice AIはどちらもAIパラフレージング・ツールとして卓越していますが、その違いは細かな点にあります。使い勝手の良さと価格面で優位に立つQuillbotは一般的なユーザー、カジュアルライター、または出費を抑えたいユーザーに向いているでしょう。
一方、文章の奥行やニュアンスを重視し、学術論文、アドミッションエッセイ、社会人が仕事で使う文書用に高質なパラフレージングを求めている場合には、Wordvice AIの方が適切かと思われます。パラフレージング・ツールのアウトプットの繊細さレベルを見れば、価格の多少の違いも納得できます。次の大規模なライティングプロジェクトでは、Wordvice AIは信頼できるチームメート的存在になるかもしれません。
Wordvice AIとQuillbotの対比
上記二つのパラフレージングツールの利点と難点をおさらいしていきましょう。
Quillbotパラフレージング・ツールのメリットとデメリット
メリット
- 無料版でもできることが多い
- 有料版向けの先進機能・制限の拡大
- パラフレージング、要約、参考文献作成
- Google DocとChrome拡張可能
- 契約から72時間は返金保証
デメリット
- 無料版で使えるライティングモードは2つのみ
- 他のツールにあるようなGPT-3AI無料ライティングツールがない
- 的確なセンテンス構造や語彙をユーザー自身で選択しなければならない場合が多い
Wordvice AIパラフレージング・ツールのメリットとデメリット
メリット
- 洗練度の高いアルゴリズムに基づいた高質なパラフレージング
- 複数のLLMデータベースを使ったより正確なアウトプット
- MS Word、Google Chromeとの一体化
- どのユーザーでも簡単に操作
- より総合的な添削を希望する場合にはプロ校正者による添削サービスも併せて依頼できる
デメリット
- Quillbotと比較して登録価格が多少高め
- 元の意味から逸脱していないかどうかを書き手が要チェックの場面もある
- 設定によっては元のニュアンスが失われるか、もしくはワードカウントが増加の可能性も
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