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学術論文における動詞時制のためのガイド

英語で学術論文の執筆者が混乱しがちなのが、論文内で使う文法上の時制です。本テーマに関する先行研究によれば、学術論文で用いられる最も一般的な時制は(1)単純現在形(2)単純過去形(3)現在完了形(4)単純未来形 になります。これら4つは用いられる状況が異なり、論文の各セクションごとで共通した使われ方がされています。このガイドでは、これら時制の使い方および使う場面について説明していきます。

目次

  1. 単純現在形
  2. 単純過去形
  3. 現在完了形
  4. 単純未来形
  5. 時制の修正作業に役立つツール

1.単純現在形

一般的に、単純現在形は現在起こっている事象や、繰り返し、または継続的に起こる事象を述べる際に使われます。しかし、学術論文では、時間に無関係な場合や、現在に関連する事実の記述に単純現在形が頻繁に使われています。この時制は、研究論文の「研究方法(Methods)」セクションで最もよく用いられます。「研究方法」セクションは、研究結果を再現するために辿るステップの説明リストになっている場合が一般的です。そのため、執筆者自身がこれらステップに沿って実験を行ったタイミングにはあまり重要な意味はありません。

Example
The fiber mixture is then poured into the metal frame.
Example
The samples are dehydrated for 48 hours.

単純現在形は、結果発見の報告にも使えます。「結果(Results)」セクションは必ず単純過去形で書かれるべきであると盲信させられているため、この点は、多くの執筆者にとって戸惑うところでしょう。

Example
Exposure to UV rays causes irreversible damage to the epidermis.

上の例では、執筆者による発見は現時点にも関連する事象であるため、単純現在形がより適切です。すなわち、日常的に紫外線を浴びると肌にダメージがあることは、研究が行われた時点だけでなく、現時点においても真実であるからです。

Example
Around 89% of the treated samples demonstrated higher water resistance.

しかし、上記の別の例では、この研究に関して特別に起こった、過去の事象につてであるため、単純過去形の使用がより適切となります。

2.単純過去形

前のセクションで少し触れたように、過去に起こった事象、または過去に真実であったことの記述には単純過去形を使います。報告の対象となっている研究は過去に実施されていることから、単純過去形は、研究論文で最もよく使われる時制になります。

Example
The collected samples were analyzed by a third party lab and returned to us over the course of 96 hours.

上記は研究方法セクションの一部にように見えますが、このセンテンスは現在形で書くべきではない点がここでの重要ポイントです。その理由は、執筆者が過去に行ったことを報告しているからです。このセンテンスは、結果を再現するために辿るべき普遍的なステップを紹介しているわけではありません。

3.現在完了形

特定できない過去のタイミングで起こったが、現在にも関連があること、または過去に起こったが現在まで継続してしている事象に関する記述には、通常、現在完了形が使われます。この時制は「研究背景(Background)」セクションでよく使われており、その理由は、「研究背景」で言及されている研究は過去に実施されていて、現在の研究にも関連しているからです。

Example
Previous studies have investigated how a low pH solution can improve several key properties of these composites.

上の例文を、同じセンテンスで単純過去形を用いた場合と比較してみます。

Example
Previous studies investigated how a low pH solution can improve several key properties of these composites.

ここで現在完了形を使うと、研究背景セクションで重要となる、先行研究の現時点における関連性が強調されることが見て取れるでしょう。

4.単純未来形

まだ起こっていない事象の記述には単純未来形を使います。アカデミックライティングにおける単純未来形は、計画された将来研究に言及する際の使用ににほぼ限定されます。

Example
In a future study, the composites will be tested under more diverse conditions.

単純過去形と現在完了形の違い

単純過去形と現在完了形は、英語が母国語でない論文執筆者が混同しやすい2つの時制です。上で述べたように、この2つの時制の違いのひとつが、現時点における過去からの関連性ですが、もうひとつ大切な違いがあります。その違いとは、何に焦点を当てるかという点です。アクション完了という状態に焦点を当てる場合には単純過去形を、その一方、完了したかどうかの状態よりも、アクションそのものに焦点を当てる場合には現在完了形を使います。また、アクションが起きたタイミングが特定されない場合には、現在完了形を使うべきです。

Example
A study in 2008 suggested that a similar hydrocarbon could serve as an energy-efficient fuel for rubber production.
Example
A previous study has suggested that a similar hydrocarbon could serve as an energy-efficient fuel for rubber production.

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