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英語学術論文ライティングで間違って使われがちな単語・それを使った例文

アカデミックライティングの主たる目的は、アイデアや研究結果をできるだけ正確に説明し、理論や結論が正しいことを読者に説得することです。ゆえに、使う言葉は正確に選ぶことが重要です。論文内で使うのを避けた方がよい単語はありますが、それ以外の単語の場合、単に使い方が間違っていたり、混同されていたりします。

このリスト(例文あり)では、見た目や発音が類似している、または意味が似ている単語のペアの例を挙げて、違いを説明していきます。リストでは、そういった単語のすべてを網羅しているわけではありませんが、見直し作業時の注意点に関するヒントになるでしょう。論文で使えるアカデミック英語のフレーズ集を参照すれば、混同しやすい単語・フレーズを避けるアドバイスになります。論文提出前に、プロによる意見を取り入れて文章改善を目指したい場合には、当社の英文校正・日英翻訳サービスのご利用も是非ご検討ください。

Thus vs Therefore

「thus」と 「therefore」はどちらも理論的結果や結論を示す際に使う副詞です。「thus」は、その直前に述べたことの次に来る理論的な結果を表す際に使うのが一般的で、よりフォーマルで、かっちりとした内容の文章に使われることが多いです。それに対して「therefore」はもう少し柔軟に使えます。「thus」と同義で使えますが、「therefore」の方が、因果関係または原因と結果の関係性を表現する意味合いが多少強いでしょう。どちらの単語を使うかは文体や好みによる場合が多い一方、明らかな因果関係を強調したい時には「therefore」の方が好まれます。

Thus vs Therefore 例文

Thus: The experiment showed consistent results; thus, we can conclude that our hypothesis is accurate. (実験結果には一貫性が見られた;ゆえに、我々の仮説が正しいと結論付けられる。)

Therefore: The road is closed due to heavy snowfall; therefore, we should take an alternate route to reach our destination on time. (激しい降雪のため道路が封鎖されている;そのため、時間通り目的地に到着するためには別ルートで行くべきだ。)

Which vs That

「which」 と「that」はどちらも名詞に関する追加情報を提示する際に使う関係代名詞です。「which」は非制限的説に使われ、必要不可欠ではない追加情報を提供し、カンマで区切られます。それに対し「that」は、センテンスが意味を成すのに必要不可欠な情報となる制限的節に使われ、カンマで区切られません。

Which vs That 例文

Which(非制限的: My car, which is red, is parked outside. (The color of the car is extra information, and the sentence would still make sense without it.) (私の車は、ちなみに色は赤ですが、外に停めてあります。) (車の色は単なる追加情報で、これがなくてもセンテンスは意味を成します。)

That(制限的: The car that is parked outside is mine. (The phrase "that is parked outside" is essential to identify which car is being referred to; without it, the sentence lacks clarity.) (外に停めてある車は私の車です。) (「that is parked outside」というセンテンスは、どの車を指しているのかを明確にするために必須となります。これがない場合、センテンスは明確さに欠けてしまいます。)

Affect vs Effect

上記2つも頻繁に混同される単語の例です。一般的に「affect」は動詞であり、何かに影響を与える・影響を持つ、という意味です。一方「effect」は、一般的には、ある行動の結果に言及する名詞です。

覚え方のヒント:「Affect」はAction(両方ともAで始まります)、「Effect」はEnd result(両方ともEで始まります)

Affect vs Effect 例文

Affect(動詞): The bad news affected her deeply, causing her to feel sad all day. (その悪い知らせは彼女に深刻に影響し、彼女に一日中悲しい思いをさせた。)

Effect(名詞): The positive effect of regular exercise is improved health and increased energy. (定期的な運動によるプラスの影響は、健康状態の向上とエネルギーの増強である。)

Among vs Between

「among」は対象物が3つ以上、または、集合体としてのグループ、または一般的な集団について話すときに使います。「between」は2つの異なるもの・人物や別グループ間の関係や比較について話す際に使います。

Among vs Between 例文

Among(3つ以上): The treasure was divided among the four friends. (宝物を友人4人山分けした。)

Between(2つ): The decision needs to be made between the two job offers. (2件の採用通知のあいだの、どちらかひとつに決める必要がある。)

Attribute vs Contribute

「attribute」は動詞または名詞として、ある特定の発生源(ソース)や起因に功績や責任を付与する際に使うのに対し、「contribute」は、何かをあげる・提供する意味を持つ動詞で、特に、広い範囲の全体に対して何かを加える、または、目的や目標達成を積極的に手助けするという意味合いの文脈でよく使われます。

Attribute vs Contribute 例文

Attribute(動詞): She attributes her musical talent to her years of practice. (彼女は、自身の音楽の才能を、長年の練習から得た功績だとしている。)

Contribute(動詞): Many people contributed to the success of the fundraising event by donating their time and money. (多くの人は、自分の時間やお金を寄付することで、そのイベントの成功に貢献した。)

Imply vs Infer

「imply」は動詞で、直接的な言及なしで、間接的にメッセージを伝える場合に使います。一方「infer」は、具体的な証拠や情報に基づいて結果を推察または導き出す場合に使う動詞です。推察する側の人は、自分以外の人が暗示した事項に基づいて結果を導き出していることに注意してください。

Imply vs Infer 的用法例句

Imply(話し手): She didn't say it outright, but her words implied that the project was behind schedule. (彼女はあからさまには言ってないが、その言葉の端々に、プロジェクト進捗の遅れが暗示されていた。)

Infer(聞き手): From her words, I inferred that the project was not going as planned. (彼女の言い方を聞いている限り、プロジェクトは計画通り進んでいないと私は推測した。)

Whether vs If

「whether」 と「if」はどちらも条件節に使われますが、2つのこの混同されやすい単語間には微妙な違いがあります。「whether」は2つ以上の選択肢、または複数の可能性の選択肢を提示するときに使います。一方「if」は、条件文、または条件や仮定を表現する際に使われます。

Whether vs If 例文

Whether (選択肢): I'm unsure whether I should order pizza or pasta for dinner tonight. (今夜の夕飯に、ピサとパスタのどちらを選んだらいいのかわからない。)

If (条件): If it snows tomorrow, we'll go sledding in the afternoon. (もし明日雪が降ったら、午後はソリ滑りに行きます。)

Fewer vs Less

「fewer」と 「less」はどちらも分量に関係していますが、異なる文脈で使われます。「fewer」は、例えば人やもののように、数えられるもの、もしくは個別に数値化できるものに関して使われます。「less」時間、お金、物質のような、数えられないもの・抽象的な分量について言及する際に使われます。

Fewer vs Less 例文

Fewer(可算): There are fewer books on the shelf today. (今日はいつもより本棚にある本の数が少ない。)

Less(不可算): I have less sugar in my coffee than usual. (今日はいつもよりコーヒーに入れる砂糖の量が少ない。)

Principal and Principle

「principal」は上級職に就いている人や、口座にある元金のことを指します。「principle」は根本的な真実または規則の意味です。この二つの単語を間違って使うと、研究についての説明を間違ったり、科学的結果の誤った解釈につながります。

Principal and Principle 例文

Principal (人物): The principal investigator led the research team. (主任研究員がその研究チームを率いる。)

Principle (原則): The principle of conservation of energy was applied in this study. (この研究にはエネルギー保存原則が適用された。)

Wordvice AIを使って混同されがちな単語を修正

頻繁に混同される単語の誤用チェックの手段として、当社のAIライティングアシスタントが使えます。このツールはライティング中のエラー修正やパラフレーズ(言い換え)をしてくれます(その結果として、文章の説得力も高まります。)AI英文チェッカーの左側ボックスにチェックしたい箇所の文章を貼りつけ、出てきたエラー表示をクリックすると、該当箇所のフィードバックボックスが開き、エラーの理由とその修正方法が解説されます。

Wordvice AI 英文チェッカーの変更例

このAI校正ツールは、このリストに載っていない、頻繁に混同されがちな単語や、その他のミスももちろん検知してくれます。

Wordvice AI 英文チェッカーの変更例

さらに、このツールの編集レベル(light - standard - intensive – concise)は自分で調整可能です。またAIパラフレーズツールは、文章からミスをなくし、曖昧さも解消できるよう、より適切な代替案も提示してくれます。